何を守っているか

国土交通省の公共建築工事標準仕様書では、既存の施設や施工済みの部分を汚さないために、適切な養生を行うことが示されています。公共建築工事の仕様書にある考え方として読み、自分の工事では、どの部分を何から守っているかを担当者に聞きます。覆われている場所を、単に未完成の場所と受け取らないためです。

玄関から部屋までの図面を見ながら、床、出入口の枠、既存の家具など、気になる箇所を指します。工事が終わるまで一続きに覆う場所なのか、作業のたびに掛け直す場所なのか。保護する範囲と人や物が通る道を重ねると、シートの先にある仕事を尋ねられます。

残る作業と照らす

例えば、床は仕上がったものの、室内へ設備を運び込む予定が残っている場合を考えます。発注者が知っておきたいのは、搬入の具体的なやり方を自分で決めることより、その作業がいつ終わり、床全体を見られるのはいつかという順序です。見学の日程を決める際にも、その予定を添えて相談できます。

一部だけ外して仕上がりを見る場合は、どこを誰が外し、その後の保護をどう戻すかまで聞いておきます。見たい範囲だけを伝え、シートやテープの扱いは現場の担当者に任せます。外したままでよいかは、見学が済んだことだけでは決められません。

見えた場所を引き継ぐ

保護を外した後は、担当者と同じ場所を見ながら説明を受けます。気になる跡があれば、部屋名と位置を示し、いま見えている状態を伝えます。その場で原因を決める必要はありません。担当者の説明や、後日もう一度見る予定があれば、その箇所と結び付けて残します。

予定していた日にまだ覆われている場所があっても、見たことにはせず、次に見る機会を設けます。逆に、先に見た床の上を引き渡しまでに再び人や物が通るなら、最後にどの状態で受け渡すかを聞いておきたいところです。見学時の写真と、引き渡し時の状態を同じ記録に混ぜずに扱えます。

打ち合わせの終わりには、次の搬入が済んだ後に床を見せてもらう、というように、作業と見学の予定を一組で残します。日付だけの約束より、何が終われば見られるのかが分かる予定にしておくと、予定が変わった際にも相談の続きを始められます。