今日決める範囲

例えば、壁材の色を選ぶ打ち合わせだとします。候補を並べるときは、使う部屋と面の位置を示し、その日に色まで決めるのか、素材の候補を絞る段階なのかをそろえます。色を選んだつもりでも、表面の仕上げや張る方向は別の話として残っているかもしれません。

国土交通省の公共建築工事標準仕様書には、材料の見本と、特記された場合の見本施工が別に登場します。自分の工事でも、いま示されたものが材料そのものの候補なのか、実際の納まりも見るためのものなのかを聞けます。見本という名前だけで判断する範囲を広げないようにします。

一枚の外側を見る

材料見本を見ながら、隣に来る床、扉、金物を図面で指してみます。例えば、壁だけを選ぶ場でも、出入口の枠と接する位置を見れば、その組み合わせを見たいと伝えられます。複数の材料をまとめて見られるか、まず担当者に相談します。

施工した見本が用意される場合は、平らな面のほかに、材料同士の継ぎ目や角がどこにあるかを見ます。どの部分が今回の仕上がりの判断対象で、どの部分は見本用の仮の納まりなのかも聞きます。端の処理まで完成品と同じだと思って見ていると、担当者と違うところを比べることになります。

写真で候補を持ち帰るなら、見本の番号や撮影した位置も一緒に残します。後日同じ物を見つけられるようにするためです。写真だけでは判断しにくい点があれば、実物をもう一度見たい場所としてメモし、その場で無理に全てを決めません。

選んだ物を特定する

採用する候補が決まったら、商品名、品番、色番号、使う場所を担当者の資料と合わせます。似た名前が並ぶ場合は、指した見本と記録の番号が同じかをその場で見ます。持ち帰り用の写真にも、決まったものと候補のままのものが混ざらないよう、短い説明を添えておきます。

見本で合意した内容が、その後どの仕様書や図面へ反映されるかまで聞いておくと、次の打ち合わせで話がつながります。色だけ決めたのなら、張り方は未決という記録を残します。見本選びを一度の好みの投票で終わらせず、どこまで選び終わったかが分かる形にしておきます。